アメリカナマズとは?霞ヶ浦で急増する理由と「食べる」取り組み

アメリカナマズとは?霞ヶ浦で急増する理由と「食べる」取り組み 魚の知識

最終更新: 2026-10-10

アメリカナマズ(和名の正式な通称、学術的には「チャネルキャットフィッシュ」)は、北アメリカ原産のナマズの仲間で、2005年6月1日に外来生物法の特定外来生物に指定された魚です。茨城県の霞ヶ浦・北浦で近年急速に数を増やし、ワカサギやテナガエビなど在来の水産資源を捕食する「厄介者」として駆除対象にされてきました。一方で2026年に入り、地元漁師や企業がこの魚を「食べられる魚」に変える取り組みを本格化させています。この記事では、アメリカナマズの基本情報、霞ヶ浦で増えている背景、特定外来生物としての法的な注意点、そして最新の食用化の動きを一次情報に基づいて解説します。

アメリカナマズとは?基本情報を整理

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項目 内容
和名・通称 アメリカナマズ
学術的な通称 チャネルキャットフィッシュ
原産地 北アメリカ
特定外来生物指定日 2005年6月1日
主な生息域 霞ヶ浦・北浦(茨城県)、琵琶湖など
耐寒性 冬の低水温にも耐えられる

国立環境研究所の侵入生物データベースなどによると、アメリカナマズは観賞魚や食用として輸入された個体が野外に定着し、北アメリカ原産であるため日本の冬の低水温にも耐えられることから、霞ヶ浦をはじめとする湖沼で分布を広げてきました。

霞ヶ浦で増えている理由と水産業への影響

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茨城県霞ヶ浦では、ワカサギやテナガエビなどがアメリカナマズに捕食されていることが報告されており、これが特定外来生物に指定された理由の一つです。実際に霞ヶ浦の主要魚種の漁獲量は大きく減少しています。株式会社ベンナーズが2026年10月に発表した情報によると、2023年の漁獲量はワカサギが4トンでピーク時の約1/130、シラウオが37トンでピーク時の約1/7まで落ち込んでいます。一方でアメリカナマズの年間回収量は、2000〜2011年度の34.6〜275トンから、現在は年間約100トンで推移しているとされています。

霞ヶ浦の漁業者数も2004年から2024年の20年間で約1,400人(約65%)減少したと報じられており、主要魚種の不振と担い手の減少が同時に進んでいる状況です。水産業全体が抱える構造的な課題については、水産業の課題とは?5つの構造的問題と解決策をデータで徹底解説でも詳しく解説しています。

特定外来生物としての注意点

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アメリカナマズは外来生物法上の特定外来生物に指定されているため、許可なく飼育すること、生きたまま運搬すること、野外に放つことがいずれも禁止されています。釣り上げた場合は、その場で速やかに殺処分してから持ち帰る必要があります。生きたまま持ち帰ったり、他の水域に放したりすると、外来生物法違反になる可能性があるため注意してください。詳しい取り扱いは、各都道府県の環境部局や発見した漁協に確認するのが確実です。

「まずい魚」から「食べられる魚」への転換の動き

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アメリカナマズは長らく「まずい魚」という評判が先に立ち、駆除してもその多くが食用化されずに処分されてきました。この状況を変えようとしているのが、霞ヶ浦でウナギ漁を営む外山厚志さん(46歳)です。外山さんが運営する体験型観光施設「うなぎ村」では、昨年(2025年)に試食会を4回開催し、延べ100人以上が参加しました。参加者からは「全く臭みがない」「身がフワフワしている」といった好評の声が上がり、唐揚げでは4人で100個以上食べるグループもあったといいます。フライ、かば焼き、天ぷら、酢豚、唐揚げなど多様な料理に調理されており、昨年11月には土浦市のカレーフェスにも出展されました。

この動きは個人の取り組みだけでなく、企業も加わる形で広がっています。株式会社ベンナーズは茨城県・霞ヶ浦漁業協同組合と連携し、霞ヶ浦産アメリカナマズを原料にした「フィシュル!加熱用パック」を、同社の水産物定期便「フィシュル定期便」の商品のひとつとして展開しています。駆除する魚を単なるコストではなく新たな水産資源として扱う狙いがあり、主要魚種の漁獲量減少に苦しむ地域にとって、収入源の多様化につながる可能性がある取り組みです。

アメリカナマズに関するよくある質問

Q1: アメリカナマズは食べても安全ですか?

霞ヶ浦では企業が加熱用の加工食品として商品化し、地元の試食会でも臭みが少ないとの評判が出ています。ただし家庭で釣った個体を自己判断で食べる場合は、必ず十分に加熱し、調理方法が分からない場合は地元漁協や販売元の案内を確認してください。

Q2: 霞ヶ浦のアメリカナマズはどこで買えますか?

2026年時点では、株式会社ベンナーズの「フィシュル定期便」で「フィシュル!加熱用パック」として販売されています。店頭での取り扱いは地域や時期によって変わる可能性があるため、最新情報は販売元に確認してください。

Q3: 釣ったアメリカナマズを持ち帰ってもいいですか?

特定外来生物のため、生きたまま持ち帰ることはできません。釣った場所でその場で殺処分してから持ち帰る必要があります。飼育や他の水域への放流も法律で禁止されています。

まとめ:アメリカナマズのポイント

  • アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)は2005年6月1日指定の特定外来生物で、霞ヶ浦ではワカサギ・テナガエビなどを捕食している
  • 霞ヶ浦の主要魚種の漁獲量は2023年時点でピーク時の1/130〜1/7まで落ち込み、漁業者数も20年で約65%減少している
  • 生きたままの飼育・運搬・放流は法律で禁止されており、釣った場合はその場での殺処分が必要
  • 2026年は地元漁師の個人的な取り組みに加え、企業による商品化も始まり「駆除する魚」を資源に変える動きが広がっている
  • 水産業全体の担い手・漁獲量の課題については、水産業の課題とは?5つの構造的問題と解決策をデータで徹底解説も参考にしてください

参考情報

  • 国立環境研究所 侵入生物データベース「チャネルキャットフィッシュ」(確認日: 2026-10-10): https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/50120.html
  • 北海道環境生活部自然環境局「チャネルキャットフィッシュ[アメリカナマズ](特定外来生物)」(確認日: 2026-10-10): https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/alien/channel-catfish.html
  • 東京新聞デジタル「アメリカナマズが霞ケ浦で大繁殖『まずい魚』打破 さまざまな料理に 地元漁師が奮闘」(確認日: 2026-10-10): https://www.tokyo-np.co.jp/article/378651
  • 株式会社ベンナーズ プレスリリース「茨城県霞ヶ浦、主要魚種の漁獲量減少を背景に『獲る魚』を転換。アメリカナマズに新たな食の価値を創出」(2026年10月9日、確認日: 2026-10-10): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000058243.html




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