ホッキ貝の旬はいつ?苫小牧が水揚げ日本一の理由と栄養を解説

ホッキ貝の旬はいつ?苫小牧が水揚げ日本一の理由と栄養を解説 魚の知識

最終更新: 2026-10-16

ホッキ貝は「冬の貝」というイメージを持つ方が多いですが、実際には産卵期にあたる初夏を除いて夏と冬の2つの漁期があり、年間を通じて水揚げされている貝です。水揚げ量日本一を続ける北海道苫小牧市では、7〜11月の「夏ホッキ」と12〜翌4月の「冬ホッキ」の2シーズンに分けて漁が行われています。

この記事では、北海道・苫小牧市の公的資料をもとに、ホッキ貝の正しい旬と漁期、苫小牧が水揚げ量日本一を続ける理由、特殊な漁法、栄養成分まで確認して解説します。

ホッキ貝とは?基本データ

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項目 内容
標準和名 ウバガイ(姥貝)※水産上の名称は「ホッキガイ」
学名 Pseudocardium sachalinense
分類 二枚貝綱 バカガイ科
殻長 6〜10cm程度
主な産地 北海道(檜山地方を除く全道の砂浜海域)、茨城県以北の太平洋側・日本海北部にも分布

ホッキ貝は正式な標準和名を「ウバガイ」といい、「ホッキガイ」は流通上の通称です。北海道水産林務部によると、檜山地方を除く北海道のほぼ全域の砂浜海域に生息しており、砂の中に成貝で15〜30cmほど潜って暮らしています。潜る深さは季節によって変わり、夏は浅く、冬は深くなるのが特徴です。

ホッキ貝の旬はいつ?苫小牧の漁期は夏と冬の2シーズン

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ホッキ貝の旬(漁期)は、産地と季節によって夏・冬の2つの時期に分かれます。

苫小牧市のホッキ貝 漁期・禁漁期間

時期 状態
7〜11月 夏ホッキ。漁期の1つ
12〜翌4月 冬ホッキ。漁期の1つ
5〜6月頃 産卵期にあたり禁漁(具体的な期間は資料により表現に幅がある)

苫小牧漁業協同組合は、産卵期にあたる初夏を禁漁期間とし、それ以外の時期を夏(7〜11月)・冬(12〜翌4月)の2漁期に分けて操業しています。北海道水産林務部の資料では産卵期を「5月下旬〜8月中旬」としていますが、苫小牧市の案内では禁漁を「5〜6月」としており、資料によって期間の表現には幅があります。共通しているのは、産卵を控えた禁漁期前が身入りの良い時期とされている点です。

地域によっても漁期は異なり、北海道水産林務部によると胆振地方は「7月〜翌4月」、日高地方は「12月〜翌5月」、宗谷地方は「3〜5月・7〜10月」と、産地ごとに操業期間が設定されています。「ホッキ貝は一年中食べられる」という案内がある一方で「冬が旬」という案内もあるのは、禁漁期以外は年間を通じて漁獲されているためで、どちらも誤りではありません。

苫小牧が水揚げ量日本一を続ける理由

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苫小牧市の案内によると、ホッキ貝の漁獲量は全国で年間約5,100トン、そのうち北海道が約4,500トンを占め、苫小牧市単独で約750〜800トン(全国の約15〜16%)を水揚げしています。苫小牧漁業協同組合はこれを長年にわたり日本一の水揚げ量として維持しています。

この背景には資源管理の取り組みがあります。北海道のルールでは殻長7.5cm未満の漁獲が禁止されていますが、苫小牧漁協はさらに厳しい「殻長9cm以上」を独自の基準として設定しています。北海道水産林務部によると、規制サイズの7.5cmまで成長するのに4〜5年を要するため、より大きい9cm基準はそれ以上の年数をかけた資源を使っていることになります。苫小牧漁協はこれに加えて、操業前の資源調査や稚貝の発生量調査を継続的に行い、獲れる量を調整しながら漁を続けています。

ホッキ貝特有の漁法:噴射式の桁網で砂を掘る

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ホッキ貝は砂の中に深く潜っているため、他の貝のように手や道具で簡単に採ることはできません。北海道立総合研究機構(水産研究本部)によると、苫小牧沖のホッキ貝漁では「貝けた網漁業」という漁法が使われています。船に積んだ高圧ポンプで海水を送水ホースから噴射し、海底の砂を掘り起こしながら幅1.2mの桁網で貝をすくい上げる仕組みです。

船は4〜9トンクラスで、沖合1kmから浜沿いに28kmにわたる漁場まで最大60分ほどかけて移動し、早朝3時に出漁することもあるといいます。噴射の勢いで砂中の貝を露出させるこの漁法は、ホッキ貝が深く潜る性質に対応するための工夫といえます。

ホッキ貝の栄養:鉄とビタミンB12が豊富

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文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の食品成分データベースによると、ホッキガイ(生)の可食部100gあたりの主な栄養成分は以下の通りです。

ホッキ貝の栄養成分(可食部100gあたり・生)

栄養素 含有量
エネルギー 66kcal
タンパク質 11.1g
脂質 1.1g
炭水化物 3.8g
鉄 4.4mg
亜鉛 1.8mg
ビタミンB12 48.0μg
カルシウム 62mg

ホッキ貝は低脂肪・低カロリーな一方で、鉄分とビタミンB12の含有量が目立って多いのが特徴です。同じ貝類であるホタテ(貝柱、生)の鉄分(刺身で食べることが多い貝柱は2.2mg)と比べても、ホッキ貝は約2倍の鉄分を含みます。苫小牧市の案内でも、ホッキ貝には肝機能の働きを助けるタウリンや、旨み成分であるグリシン・アラニンが豊富に含まれていると紹介されています。

ホッキ貝の選び方・食べ方

新鮮なホッキ貝を選ぶポイントです。

チェックポイント 良い状態のサイン
活けの場合 触ると殻を閉じようとする、重みがある
身の色 鮮やかな紅色〜ベージュで、変色やぬめりが強すぎない
殻の状態 割れや欠けが少ない
サイズ 苫小牧産は9cm以上が基準。大きいものほど身が厚い

食べ方としては、刺身・寿司ネタとして生で食べるほか、バター焼き、天ぷら、ホッキカレー、炊き込みご飯(ほっきめし)など、北海道では郷土料理としても親しまれています。生食する場合は厚みのある貝柱部分の甘みが際立ち、加熱すると旨みがより強く感じられます。

ホッキ貝に関するよくある質問

Q1. ホッキ貝の旬はいつですか?

苫小牧市では産卵期にあたる5〜6月頃を除き、7〜11月の「夏ホッキ」と12〜翌4月の「冬ホッキ」の2つの漁期があります。「冬が旬」というイメージが強いですが、禁漁期以外は年間を通じて漁獲されています。

Q2. なぜ苫小牧のホッキ貝は水揚げ量日本一なのですか?

苫小牧漁協が北海道の規制サイズ(殻長7.5cm以上)よりも厳しい「9cm以上」を独自基準に設定し、稚貝の発生量調査など資源管理を継続していることが背景にあります。漁獲量は全国約5,100トンのうち苫小牧単独で約750〜800トン、全国の約15〜16%を占めています。

Q3. ホッキ貝とハマグリ・アサリはどう違いますか?

ホッキ貝(ウバガイ)はバカガイ科、ハマグリはマルスダレガイ科、アサリはマルスダレガイ科に属する別の二枚貝です。ホッキ貝は殻長6〜10cmと比較的大きく、北海道の砂浜海域に生息する点が特徴です。

Q4. ホッキ貝の漁はどうやって行うのですか?

「貝けた網漁業」という漁法で、高圧ポンプで海水を噴射して砂中の貝を露出させ、幅1.2mの桁網ですくい上げます。船は4〜9トンクラスで、早朝に出漁して遠方の漁場まで移動することもあります。

Q5. ホッキ貝の栄養の特徴は何ですか?

100gあたり66kcal・タンパク質11.1gと低カロリーな一方、鉄4.4mg・ビタミンB12 48.0μgと豊富です。肝機能を助けるタウリンや旨み成分のグリシン・アラニンも含まれています。

まとめ:ホッキ貝は禁漁期以外ほぼ一年中獲れる貝

ホッキ貝についてまとめると以下の通りです。

  • 旬(漁期)は産卵期の5〜6月頃を除き、夏(7〜11月)・冬(12〜翌4月)の2シーズン
  • 苫小牧は独自の9cm基準と資源調査により水揚げ量日本一を継続(全国約15〜16%)
  • 「貝けた網漁業」という噴射式の特殊な漁法で、深く潜った貝を掘り起こして漁獲する
  • 栄養は100gあたり66kcal・鉄4.4mg・ビタミンB12 48.0μgで、鉄分とビタミンB12が豊富

同じ北海道の貝類としてホタテの旬・産地別の漁期ガイド、採貝で漁獲される貝としてサザエの旬ガイド、アワビの旬・産地別の旬カレンダーもあわせてご覧ください。水産業界の統計データ全般は水産ナビ 水産業界データハブでも定期的に更新しています。

参考情報

この記事は水産ナビ編集部が執筆しました。水産ナビは水産・漁業に特化した専門メディアです。

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