最終更新: 2026-10-09
結論から言うと、「下関水産高校」という名称の高校は現在存在しない。下関市にあるのは高校ではなく、国立研究開発法人水産研究・教育機構が運営する大学校「水産大学校」だ。一方、かつて山口県に県立の水産高校はあったが、所在地は下関市ではなく長門市で、2011年の統合により現在は「山口県立大津緑洋高等学校 水産校舎」となっている。「下関=水産高校がある」というイメージは、ふぐの街として有名な下関と水産大学校の存在が結びついて生まれた誤解だと考えられる。
下関市にあるのは「水産大学校」(大学校、高校ではない)

下関市永田本町にあるのは、水産大学校(国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産大学校)という高等教育機関だ。高校ではなく、大学相当の省庁大学校に分類される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 水産大学校(国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産大学校) |
| 所在地 | 山口県下関市永田本町二丁目7番1号 |
| 起源 | 1946年5月、水産講習所下関分所として開設(漁業・製造・養殖の3科) |
| 改称の変遷 | 1963年1月に水産大学校へ改称 → 2001年に独立行政法人化 → 2016年に水産研究・教育機構に統合 |
| 学科 | 水産流通経営学科、海洋生産管理学科、海洋機械工学科、食品科学科、生物生産学科 |
| 区分 | 大学校(高校卒業後に進学する高等教育機関) |
水産大学校への進学を考えている場合、入試・学費・学科の詳細は水産大学校とは?偏差値・学費・就職率、就職先企業の詳細は水産大学校の就職率99%|学科別就職先で詳しく解説している。
かつての「山口県立水産高等学校」は長門市にあった

高校段階の水産専門教育を山口県内で担っていたのは、山口県立水産高等学校だ。ただしこの学校の所在地は下関市ではなく、日本海側の長門市だった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称(旧) | 山口県立水産高等学校 |
| 所在地 | 山口県長門市仙崎1002 |
| 設立 | 1939年(昭和14年)、山口県水産養成所として設立 |
| 沿革 | 1945年に水産学校へ改編、1948年の学制改革で高等学校に |
| 学科再編 | 1999年に3学科から2学科(海洋技術科・海洋科学科)へ |
| 統合 | 2011年、長門市内の大津高校・日置農業高校と統合され「山口県立大津緑洋高等学校」が新設 |
| 現在 | 校舎は大津緑洋高校の「水産校舎」として使用、2013年に水産高校としての最終卒業生を輩出 |
つまり「下関水産高校」を検索している人が実際に行き着くべき学校は、下関市にはなく、同じ山口県内でも日本海側の長門市にある大津緑洋高等学校水産校舎(旧・山口県立水産高等学校)という可能性が高い。ただし現在は高校単独ではなく統合校の一部であり、学科名も「水産」ではなく「海洋技術科」「海洋科学科」に変わっている点に注意してほしい。名称変更の背景は海洋高校とは?水産高校との違いでも詳しく解説している。
下関市は「ふぐ(ふく)」で有名な水産の町

下関市自体は水産高校の所在地ではないものの、水産業の町として全国的に知られている。特に有名なのがふぐ(下関では「ふく」と呼ぶ)だ。
下関市の南風泊市場は、天然トラフグの取扱量日本一を誇る専門市場で、国内で水揚げされる天然のトラフグ・クサフグなどの8割近くが集まり、養殖トラフグの多くもこの市場に集積する(下関市公式サイト「下関市水産物5大ブランド『ふく』」、2026年10月確認)。
| 指標 | 内容 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 山口県の海面漁業・養殖業産出額 | 約150.25億円 | 農林水産省「漁業産出額」平成30年確報 |
| 山口県のふぐ類漁業産出額 | 約3.31億円 | 同上 |
| 下関・南風泊市場の役割 | 天然トラフグ取扱量が日本一の専門市場 | 下関市公式サイト |
ふぐの産出額自体は山口県全体の漁業産出額の一部にすぎないが、下関が「ふぐの本場」と呼ばれるのは漁獲量だけでなく、全国から天然・養殖のふぐが集まる流通拠点としての役割が大きい。水産業界全体の統計データは水産業界の統計まとめでも確認できる。
よくある質問
Q1. 下関市に水産高校はありますか?
現在、下関市内に「水産」を校名に持つ高校は存在しない。下関市にあるのは高校ではなく大学相当の水産大学校だ。高校段階の水産専門教育機関は、かつて長門市に山口県立水産高等学校があったが、2011年の統合で大津緑洋高等学校水産校舎となっている。
Q2. 水産大学校と水産高校はどう違いますか?
水産大学校は高校卒業後に進学する高等教育機関(大学相当)で、水産高校は中学卒業後に進学する高校段階の教育機関。水産大学校への入学には高校卒業(または同等の資格)が必要で、両者は教育段階が異なる。
Q3. なぜ「下関=水産高校」というイメージがあるのですか?
下関市に水産大学校があることと、下関がふぐで有名な水産の町であることが結びつき、「下関には水産系の学校がある」というイメージが先行し、高校段階でも同様の学校があると誤解されやすいと考えられる。
関連記事: 八戸水産高校(青森県立)の偏差値・学科・歴史を解説
まとめ:下関にあるのは大学校、高校は長門市から統合校へ
- 「下関水産高校」という名称の高校は現存しない。下関市にあるのは高校ではなく水産大学校(高等教育機関)
- かつての山口県立水産高等学校は下関市ではなく長門市にあり、2011年の統合で大津緑洋高等学校水産校舎となった
- 下関市は南風泊市場を中心に天然トラフグ取扱量日本一を誇る「ふぐ(ふく)の町」として知られる
- 水産大学校への進学を検討する場合は、入試・学費・就職の詳細を別記事で確認してほしい
この記事は水産ナビ編集部が執筆しました。水産ナビは水産業界に特化した専門メディアです。
参考情報
- 水産大学校公式サイト(https://www.fish-u.ac.jp/)— 2026年10月確認
- 日本語版ウィキペディア「水産大学校」(https://ja.wikipedia.org/wiki/水産大学校)— 2026年10月確認
- 日本語版ウィキペディア「山口県立水産高等学校」(https://ja.wikipedia.org/wiki/山口県立水産高等学校)— 2026年10月確認
- 下関市公式サイト「下関市水産物5大ブランド『ふく』」(https://www.city.shimonoseki.lg.jp/soshiki/60/1173.html)— 2026年10月確認
- 農林水産省「漁業産出額」平成30年確報(e-Stat 政府統計の総合窓口、https://www.e-stat.go.jp/)— 2026年10月確認

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