最終更新: 2026-10-23
しじみの旬は夏と冬の年2回あります。「土用しじみは腹薬」という言葉があるように、夏は産卵前で身が太り、だしが濃く出やすい時期です。一方、1月から3月上旬ごろに獲れる「寒しじみ」は、越冬のために栄養を蓄えることで身が引き締まり、甘みとコクが際立つとされています。
この記事では、しじみの旬が夏と冬で分かれる理由、主な産地、文部科学省の食品成分データベースで確認した栄養成分までを解説します。
しじみとは?基本データ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標準和名 | シジミ(蜆) |
| 分類 | マルスダレガイ目シジミ科シジミ属 |
| 国内流通の中心 | ヤマトシジミ(流通するしじみの大半を占める) |
| 他の種類 | マシジミ(淡水域)、セタシジミ(琵琶湖特産) |
| 生息域 | 河口付近の汽水域(海水と淡水が混ざる場所) |
日本国内で市場に出回るしじみは、ほとんどがヤマトシジミです。河口や湖沼など、海水と淡水が混ざり合う汽水域に生息しており、塩分濃度の変化に強いという特徴があります。
しじみの旬は夏と冬の年2回

しじみには「夏」と「冬」、2つの旬があるとされています。それぞれ身が充実する理由が異なります。
夏と冬、それぞれの旬の特徴
| 時期 | 呼び方 | 身が充実する理由 |
|---|---|---|
| 夏(土用の時期など) | 土用しじみ | 産卵前で栄養を蓄え、身が太る。だしが濃く出やすい |
| 1月〜3月上旬ごろ | 寒しじみ | 越冬のため土に潜って栄養を蓄え、身が引き締まる |
「土用しじみは腹薬」という言葉は、夏の産卵前のしじみが栄養豊富であることを指した言い伝えです。一方、寒しじみは水温が下がる時期に越冬のための栄養を蓄えることで、粒が大きく甘みとコクが増すとされています。どちらが好みかは好き嫌いが分かれる部分もありますが、味の方向性が異なる2つの旬があると理解しておくと、買い物の際の目安になります。
しじみの主な産地

しじみは全国各地の河口・湖沼で漁獲されていますが、産地によって規模や特徴が異なります。
しじみの主な産地
| 産地 | 水域 |
|---|---|
| 青森県 | 十三湖、小川原湖 |
| 島根県 | 宍道湖 |
| 茨城県 | 涸沼、利根川 |
| 北海道 | 網走湖、パンケ沼 |
| 滋賀県 | 琵琶湖(セタシジミ) |
かつては島根県の宍道湖が漁獲量トップとされていましたが、近年は青森県がそれを上回っているとの情報もあります。産地ごとに水質や塩分濃度が異なるため、粒の大きさや風味にも違いが出るとされています。滋賀県の琵琶湖で獲れるセタシジミは、ヤマトシジミとは別種で、琵琶湖の特産として扱われています。
しじみの栄養:鉄とビタミンB12が豊富

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の食品成分データベースによると、しじみ(生)の可食部100gあたりの主な栄養成分は以下の通りです。
しじみの栄養成分(可食部100gあたり・生)
| 栄養素 | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 54kcal |
| タンパク質 | 7.5g |
| 脂質 | 1.4g |
| カルシウム | 240mg |
| 鉄 | 8.3mg |
| 亜鉛 | 2.3mg |
| ビタミンB12 | 68.0μg |
| 葉酸 | 26μg |
しじみの栄養面での最大の特徴は、鉄が100gあたり8.3mg、ビタミンB12が68.0μgと非常に多く含まれている点です。いずれも貧血予防や疲労回復に関わる栄養素とされています。もっとも、しじみは一度に大量を食べる食材ではないため、味噌汁や酒蒸しなどで継続的に取り入れることが現実的な摂取方法といえます。肝機能のサポートに関わるとされるオルニチンやタウリンも含まれていますが、これらは食品成分表の標準項目には含まれていないため、本記事では文部科学省データで確認できた項目のみを数値として記載しています。
しじみの選び方・砂抜きのポイント

| チェックポイント | 良い状態のサイン |
|---|---|
| 殻の色・つや | 黒褐色でつやがあり、模様がはっきりしている |
| 殻の状態 | 殻が割れていない、口が開いていない(生きている) |
| 砂抜き | 塩水(0.5〜1%程度)に浸し、暗い場所で1〜2時間程度おく |
しじみは砂抜きが不十分だと食感に影響するため、購入後は塩水に浸けて暗所で砂を吐かせるのが基本です。殻の口が開いたまま閉じないものは死んでいる可能性があるため、取り除くことをおすすめします。
しじみに関するよくある質問
Q1. しじみの旬はいつですか?
夏と冬の年2回あります。夏は産卵前で身が太る「土用しじみ」、1月〜3月上旬ごろは越冬のため身が引き締まる「寒しじみ」の時期です。
Q2. しじみの主な産地はどこですか?
青森県(十三湖・小川原湖)、島根県(宍道湖)、茨城県(涸沼・利根川)、北海道(網走湖・パンケ沼)などが主な産地です。滋賀県の琵琶湖ではセタシジミという別種が獲れます。
Q3. しじみにはどんな栄養がありますか?
100gあたり鉄8.3mg、ビタミンB12 68.0μgが特に豊富です。いずれも貧血予防や疲労回復に関わる栄養素とされています。
Q4. しじみの砂抜きはどうすればよいですか?
0.5〜1%程度の塩水に浸し、暗い場所で1〜2時間程度おくのが基本です。殻の口が開いたまま閉じないものは取り除いてください。
まとめ:しじみの旬は夏と冬、味の方向性が異なる
しじみについてまとめると以下の通りです。
- 旬は夏(土用しじみ)と冬(寒しじみ、1月〜3月上旬ごろ)の年2回
- 夏は産卵前で身が太りだしが濃く、冬は越冬のため身が締まり甘みが増す
- 主な産地は青森県(十三湖・小川原湖)、島根県(宍道湖)、茨城県(涸沼)など
- 栄養は100gあたり鉄8.3mg・ビタミンB12 68.0μgが特徴
他の貝類の旬についてはあさりの旬はいつ?やホタテの旬はいつ?でも解説しています。魚種全般の旬は魚の旬カレンダー完全版、水産業界の統計データは水産ナビ 水産業界データハブでも確認できます。
参考情報
- しじみ/シジミ/蜆:特徴や産地と旬の時期(食材百科) — ヤマトシジミが流通の大半を占めること、主な産地(青森・島根・茨城・北海道・滋賀)、分類(マルスダレガイ目シジミ科)の確認に使用(確認日: 2026-10-23)
- 旬の食材と栄養「寒しじみ」(京都済生会病院) — 寒しじみの時期(1月〜3月上旬)、越冬のため身が締まり甘みが増すとの記載の確認に使用(確認日: 2026-10-23)
- 文部科学省 食品成分データベース しじみ/生 — しじみ(生)100gあたりの栄養成分値(エネルギー54kcal、タンパク質7.5g、脂質1.4g、カルシウム240mg、鉄8.3mg、ビタミンB12 68.0μg、葉酸26μg)の確認に使用(確認日: 2026-10-23)
この記事は水産ナビ編集部が執筆しました。水産ナビは水産・漁業に特化した専門メディアです。
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