マイワシ漁獲枠2027年75%減|16万2千トンへ縮小の背景

マイワシ漁獲枠2027年75%減|16万2千トンへ縮小の背景 漁業・漁法

最終更新: 2026-10-28

水産庁は2026年10月27日、漁業関係者との意見交換会で、太平洋側のマイワシについて2027年漁期(1月〜12月)の漁獲可能量(TAC)を前年比75%減の16万2千トンとする方針を示した。海水温の上昇に伴う資源量の縮小が主な要因とされている。この記事では、示された数値の内容と、資源が減少している背景、都道府県への配分の仕組みを整理する。

何が示されたのか:2027年漁期のTACは16万2千トン、前年比75%減

2026 10 28 maiwashi ryokaku waku 2027 h2 00

項目 内容
発表機関 水産庁(漁業関係者との意見交換会で説明)
発表日 2026年10月27日
対象 太平洋側のマイワシ
対象漁期 2027年漁期(1月〜12月)
示された漁獲可能量(TAC) 16万2千トン
前年比 75%減

漁獲可能量(TAC:Total Allowable Catch)は、水産資源を維持するために漁業種類・海域ごとに定める年間の上限漁獲量だ。今回示された16万2千トンは前年の4分の1程度にあたり、近年のマイワシ関連の資源管理の中でも大きな下げ幅になる。

なぜ減ったのか:海水温上昇による資源量の縮小

2026 10 28 maiwashi ryokaku waku 2027 h2 01

水産研究・教育機構によると、マイワシの資源量は縮小傾向にあり、海水温の上昇に伴う餌不足で成長が鈍化し、産卵する親魚が十分に増えていないことが要因とされている。マイワシは水温など海洋環境の変化に資源量が大きく左右される魚種として知られており、今回の縮小も海洋環境の変化が引き金になっている。

都道府県への配分方法:当初配分は全体の6割に抑制

2026 10 28 maiwashi ryokaku waku 2027 h2 02

水産庁が示した方針では、都道府県などへの漁獲枠の当初配分を全体の約6割に抑え、残りは漁期中の資源の状況に応じて追加配分する仕組みが取られる。資源量の先行きが不透明な中で、年間の上限を一度に配り切らず、様子を見ながら追加していく運用だ。

今後の決定プロセス:方針表明から正式決定まで

2026 10 28 maiwashi ryokaku waku 2027 h2 03

今回水産庁が示したのは、漁業関係者向けの意見交換会で説明された方針であり、2027年漁期のTACとして正式に決定した数値ではない。TACは例年、水産政策審議会での検討を経て最終的に決定される仕組みで、今回の16万2千トンという数字も今後の手続きの中で変わる可能性がある。正式な数値を確認したい場合は、水産庁の発表を随時確認する必要がある。

マイワシ資源の産業上の位置づけ(一次情報)

2026 10 28 maiwashi ryokaku waku 2027 h2 05

農林水産省「漁業産出額」(平成30年確報)によると、まいわしの海面漁業産出額は約237億円で、いわし類全体(うるめいわし・かたくちいわし・しらすを含む約761億円)の中で最大の構成種だった。ただしこの数値は平成30年(2018年)時点のもので、近年の資源減少を反映した最新の産出額ではない。マイワシが本来、いわし類の中でも漁業経済上の比重が大きい魚種であることを示す参考値として捉えてほしい。

漁獲枠縮小が与える影響

マイワシは生食用だけでなく、煮干し・いりこ・飼料など加工用途でも使われる魚種だ。小型浮魚類の不漁が加工品の価格に影響する構図は、当サイトのカタクチイワシはなぜ不漁?煮干し・いりこが値上がりする理由でも取り上げている。マイワシとカタクチイワシは種が異なるが、いずれも海水温の変化に資源量が左右されやすい小型浮魚類であり、今回の漁獲枠縮小も同様の構造を背景にしている。

漁獲枠(TAC)の縮小は他の魚種でも進んでいる。2026年度はズワイガニでも日本海側全体のTACが縮小されており、詳しくはズワイガニ漁獲枠2026年度、鳥取県は27%減の754トンで解説している。

マイワシ漁獲枠に関するよくある質問

Q1: 2027年のマイワシ漁獲枠はいつから正式に決まるのか

今回(2026年10月27日)示されたのは意見交換会での方針説明であり、正式決定ではない。TACは例年、水産政策審議会での検討を経て最終的に決定される。16万2千トンという数字は今後変わる可能性がある。

Q2: 漁獲枠が減ると、どのような影響が考えられるか

漁獲枠の縮小は、漁業者の水揚げ量の上限を直接制限する。マイワシは加工用途(煮干し・いりこ・飼料など)にも使われるため、供給量が絞られれば加工品の価格に影響する可能性がある。ただし実際の価格動向は漁期開始後の水揚げ状況を見て確認する必要がある。

まとめ:マイワシ漁獲枠2027年のポイント

  • 水産庁は2027年漁期(1〜12月)の太平洋側マイワシTACについて、前年比75%減の16万2千トンとする方針を2026年10月27日に示した
  • 要因は海水温上昇に伴う餌不足による成長の鈍化と、産卵親魚の不足
  • 都道府県への当初配分は全体の約6割に抑え、残りは状況に応じて追加配分する
  • 今回の数字はあくまで方針表明であり、正式決定は今後の水産政策審議会の手続きを経て行われる

水産ナビでは、マイワシを含む小型浮魚類の資源動向や漁獲枠のニュースを継続して追っていく。水産業界全体の統計データは水産業界データハブでも確認できる。

参考情報



コメント

タイトルとURLをコピーしました